「イーメイト」記事 TPMとCMMSの関係

2022年4月25日

TPMとCMMSの関係性はなんでしょうか?

在庫管理イメージ:イーメイト
在庫管理イメージ:イーメイト

まずはじめに、TPM(Total Productive Maintenance)とは?

生産システム上に存在するあらゆるロスをゼロにすることで、継続的に生産性向上、収益の確保を実現する活動である。これを生産効率の極限追求ともいいます。米国から導入した生産性や経済性を高めるための生産保全(Productive Maintenance)の概念を日本独自に拡張させ、全社規模で展開する生産革新活動として進化した。多くの書籍では「全員参加の生産保全」と称されており、正式にはTotal Productive Maintenanceと表記される。 だだし現在のTPMによる革新は、製造現場の効率化だけに留まらず、「企業の継続的繁栄の基礎条件を確立する」を期待されており、TPMそのものが「新しい経営モデルを構築する手段」として進化しており、Total Productive Managementと拡張して解釈すべき側面が多くなっている。 TPMの特徴は、ものづくりのあるべき姿(ロス・ゼロなど)への改善アプローチを「人」「設備資産」に着目していること、成果を出し続ける仕組みを現場・現物・現実で構築することにある。TPM活動を実践するプロセスで「人が変わる・設備資産が変わる」、そしてその成果を出し続けるように「職場が変わる・工場が変わる・企業が変わる」ということである。

【TPMの8本柱】

8本柱 (TPMの主要活動)活動内容
生産システム効率化の個別改善対象職場、ライン、単体設備のロス分析により改善テーマに取り組む。

「テーマ選定 → 現状把握 → 目標設定 → 要因解析 → 対象の立案と実施 →効果の確認 → 標準化と管理 → 反省と今後の計画」のようなストーリーに従って改善を展開する

オペレーターの 自主保全体制づくり設備資産がある現場において、作業者1人ひとりが「自分の設備資産は自分で守る」ことを目的として、自分の設備資産の日常点検・給油・部品交換・修理・異常の早期発見、精度チェックなどを行う。設備資産のない部門、手作業の部門においても、職場環境の整備、業務・作業のムリ・ムダ・ムラをポイントに不具合点を改善する
保全部門の 計画保全体制づくり専門保全として故障低減、部品寿命延長に取り組み、予備品管理、保全費管理、さらには予知保全体制の確立などを行う
製品・設備開発 管理体制づくりさまざまな改善情報のフィードバックによるつくりやすい製品開発や、信頼性・安全性・操作性・保全性の高い設備資産づくりを行う
品質保全体制づくり不良の出ない条件設定とその維持管理によって、不良ゼロ・クレームゼロを目指す活動である。従来のようにできた製品の検査強化により流出防止を図る品質保証ではなくて、工程・設備資産で品質をつくり込み不良の未然防止を図る
教育・訓練 の体制づくり仕事を進めるうえでその職場に必要な知識、技能を整理しスキルの評価と向上を図っていく
管理・間接部門 の効率化体制づくり事務所の5Sや事務工数の削減など事務の効率化活動さらには購買、物流在庫ロス削減、営業の売上拡大など効率化と価値創造の活動を展開する
安全・衛生と環境の 管理体制づくり生産性に優れた工場でも、災害があり、環境がよくない工場は良い工場とはいえない。「災害ゼロ、公害ゼロ」が従来からTPMでは強調され、さらには「廃却ゴミゼロ」など環境にやさしい生産活動にも展開していく

日本能率協会コンサルティングページ 抜粋

では、CMMS(Computerized Maintenance Management System)とは?

カレンダーやメーターを使った予防保全のスケジューリングを自動化し、プロセスや手順を合理化し、ワークフローを最適化するソフトウェアです。メンテナンスの専門家は、プラントや設備のメンテナンスを計画、管理、改善し、オペレーションを標準化するために設備保全管理システム(CMMS)ソフトウェアを使用しています。設備保全管理システム(CMMS)ソフトウェアを最大限に活用すれば、機器の寿命を延ばし、全体的なコストを削減し、設備資産の信頼性と生産性を向上させることができます。

つまり、TPMは理想や会社全体が目指すゴール、SMMCはゴールを達成するための道具です。

CMMSを導入することにより、TPMの上記項目のほぼ全てを網羅することができます。TPMを実行するには、誰もが入力でき、一目瞭然で結果レポートが全員に見える必要があり、それがCMMSの大事な機能です。

日本語では製造機械や、製造装置と呼んでいますが、英語圏では、Assetとつまり資産という単語を使用します。
工場で製品を生産しているのは、設備資産であり、資産の有効活用が必要となります。
設備資産台帳に、将来の点検の予定、点検実施内容、修理記録、保全記録、校正証明書、さらに、使用部品を入れて、使用者全員が同じ情報を共有することが、CMMSの機能であり、TPMを実現することになります。
サプライチェーン問題イメージ:イーメイト
サプライチェーン問題イメージ:イーメイト