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フィールドバランス ビブエキスパート2

フィールドバランス ビブエキスパート2

現場で、組み上げた状態で、送風機、冷却タワーのファン、大型巻取機、のバランス調整が可能です。

たとえば、送風機の場合、メーカーから納品された回転部品を現場で組み上げます。部品個々のバランスや仮組立で機器単体のバランスは出荷前に確認済みです。

しかし、現場で組み上げたときは?それを設備に据え付けたときは?果たしてどうでしょうか。

「ビブエキスパート 2」ならば、現場でバランス調整ができます。

冷却タワーは、24時間、360日稼働しています。突然止まると困る。交換部品ない。ということはあってほしくない。
フィールドバランスで振動を低減して設備を延命できます。

冷却塔送風機

送風機は、非常に単純な構造です。モーター、シャフト、カップリング、ギア、羽根が基本構造です。

ただ、常に稼働しており、安全のためカバーがあります。また、複数台設置されているので騒音もあります。高所や地下に設置されています。

つまり、保全の立場からみると、そのような設置環境のために、製品の異常がわかりにくい設備のうちの一つです。

しかし、振動解析の立場からすると、単純構造で、最も初歩的な振動の異常が発生するため、解析も簡単です。ぜひ定期的な測定や、オンラインでの測定を推奨いたします。

速度FFTを実施して、回転数の1次の振動値のみが振動値の大半を占めていることを確認してください。

例:装置回転数=480回転、1次=480/60=8 Hz (ヘルツ)

一般的なフィールドバランス調整手順

1.事前準備

対象風車の以下の技術資料を事前に弊社に送付をお願いします。

A.送風機のメーカー及び、型番。

  • 送風機の技術仕様書。
  • ドライブトレインの主要部分の部品リスト。
  • ローターブレードセットの重さ。
  • 送風機及びブレードの故障履歴。

B.送風機は作業時に最大出力で動作できること。

C.バランス補正用のおもりは、弊社にて準備いたします。

D.補正用のおもりは、メーカー推奨の位置があれば使用します。

E.バランス調整作業中は、送風機を作動させられる有資格者の同伴をお願いたします。

以下の安全に関する資料の提出をお願いたします。

  • 安全確認内容とその同意書
  • 安全装備に関する資料
  • 作業現場、及び作業中の安全に関する資料等。

2.作業内容

送風機のバランス作業は、バランス度 品質 ISO 1940に従って実施いたします。(参考資料1)

振動値の基準は、ISO 10816に従って実施いたします。(参考資料2)

A.振動測定を実施します。 回転数、全体振動、速度FFT、時間波形、(エンベロープ)

測定結果イメージ バランス調整前

全体振動値と速度FFT
全体振動値(20.39mm/s)と速度FFT(次数1:20.51mm/s)

B. VXP2のバランス調整メニューに従って、バランス調整作業を実施します。

  (ア)1回目の測定をします。

  (イ)仮おもりを取り付けて測定をします。

  (ウ)VXP2の指示に従って、調整おもりを取り付けていきます。

  (エ)おおよそ、3回程繰り返します。

バランス調整結果イメージ

バランス調整ポーラ図
測定重り(g)位置(角度)振幅位相
0002.31133
1500902.30140仮重り
220611661.8184
31526580.57164
45381580.08153
5711550.07175
※ローターの重さ約1トン

C. 再度振動測定を実施します。ISO10816の基準以下であることを確認します。作業はこれで終了です。

測定結果 バランス調整後

全体振動値(0.93mm/s)と速度FFT(次数1:0.73mm/s)

注意点

1. 最終的には、最大回転数で実施すること。アンバランスがひどい場合は、回転数の段階を踏んでもよい。

2. 仮おもり、試しおもりは、十分に重たいこと。ポーラ図にて、1回目の位相表示から45度以上別の位相にずれること。

3. 試しおもりが十分でないと調整回数がおおくなり、計算が合わなくなる場合があります。その場合は初めからやり直します。

4. トリガーアングルと調整おもりの取り付け角度は正確なほど、調整が早く終わります。


参考資料1 バランス度 品質 ISO 1940

品質閾値機械トレイン
G 40004000クランクギアが奇数のシリンダーを持つ低速船のディーゼルエンジン
G 16001600クランクギアがしっかりと組み立てられた大型2ストロークエンジン
G 630630クランクギアがしっかりと組み立てられた4ストロークエンジンと弾性的に取り付けられた船のディーゼルエンジン
G 250250堅固に取り付けられた高速4気筒ディーゼルエンジン
G 1001006個以上のシリンダーを備えた固定式の高速ディーゼルモーター
G 4040自動車のホイール、リム、ホイールセット、ドライブシャフトクランクギア、弾性的に取り付けられた、6気筒以上の高速4ストロークエンジン
G 1616自動車、トラックおよび機関車エンジンのクランクギアコンポーネント、特別な要件を持つ6つ以上のシリンダーエンジンのクランクギア、大型風車
G 6,36,3ファン、フライホイール、遠心ポンプ、機械構造および工作機械構造部品、小型風車
G 2,52,5ジェット発電所のインペラ、ガスおよび蒸気タービン、ターボブロワーおよび発電機
G 11テープレコーダーとフォノドライブ、研削盤ドライブ
G 0,40,4精密研削盤のアンカー、シャフトとディスク、ジャイロスコープ

参考資料2 振動値の基準 ISO 10816

ISO 10816機械的振動-非回転部品の測定による機械振動の評価
ISO 10816-1一般的なガイドライン
ISO 10816-2通常の運転速度が1500 rpm、1800 rpm、3000 rpm、3600 rpmで、50 MWを超える地上ベースの蒸気タービンと発電機
ISO 10816-3現場で測定した場合の公称出力が15 kWを超え、公称動作速度が120 rpmから15000 rpmの産業用機械
ISO 10816-4航空機の派生品を除くガスタービン駆動セット
ISO 10816-5水力発電およびポンプ設備の機械セット
ISO 10816-6定格電力が100 kWを超える往復機
ISO 10816-7回転シャフトでの測定を含む、産業用途向けの回転力学的ポンプ

参考資料3 ISO 10816-3:現場で測定した場合の公称出力が15 kWを超え、公称動作速度が120 rpmから15000 rpmの産業用機械

考資料4 ISO 10816-7:回転シャフトでの測定を含む、産業用途向けの回転力学的ポンプ

「今まで聞いたことがないことをしたいときは、今までにない新しいことをする必要があります。」

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